木塵の強み(SWOT分析)


SWOT分析という企業の客観視の方法があるそうです。

感覚や概念的なものも言語化して要素を棚卸する感覚なのでしょう。


今日はその1つ目強み(STRENGTH:内部環境(自分でコントロールできること))を並べてみました。裏返すと弱みでもあるところもありますが強さの要素として抽出しています。皆様からみて抜けている要素があればコメントいただけると助かります。僕から見えていないものもたくさんあるはずです。


内部環境

強み STRENGTH

  • リピーターが多い。80%超。コロナ禍では90%超。

人(従業員)に客がついている(ファンマーケティング)。

インバウンド客のリピートも多く見られる。 

  • 食事が人気「訪れる度に違うメニュー」

食事に自信があるので宿泊商品は1泊2食のみで販売している。季節ごとに旬の食材を利用してメニューを変えている。毎年新メニューを開発している。家族全員(従業員全員)が調理師免許を有し、それぞれが得意なメニューを組み合わせて料理をする。

顧客の食事履歴を記録し何度訪れても飽きのこないリピート動機になっている。

  • 立地

白馬村三日市場地区。東側の地区。スキー場と北アルプスのある西側を一面田んぼの景色を挟んで臨む絶景ポイントに木塵はある。喧騒から離れた静かな地区。

  • 農業

食事提供のための稲作と畑作をしている。

米は独自の肥料体系で2種類作っている。さっぱりとして歯応えがあり、おかずによく合うコシヒカリ。甘くもちもちした、冷めても美味しいミルキークイーン。メニューに合わせてこの2つをブレンドして炊飯、提供している。コシヒカリは「木塵米」という名称で顧客の間ではブランド化されお土産にもなっている。定期購入顧客も抱えている。

畑では少し珍しい野菜を作り、収穫し提供している。食事の時の話題提供の1つとなり食事体験を楽しんでもらっている。大豆を作り米麹を醸し、味噌を毎年仕込んでいる。味噌の味も人気がある。

  • 部屋デザイン

各部屋全く異なるインテリアデザイン。オーナーがデザインと施工を手掛けた。家族(グループ)構成や滞在内容に合わせて楽しい非日常の滞在時間を過ごせる。

「次は別の部屋に泊まってみたい」というリピート動機に役立っている。

地震からの改修後、シングル部屋(5室)を作った。アーチェリー合宿の先生やコーチの部屋として、スキー需要の変化(家族旅行→シングル)に対応。客室占有率を下げ、生産効率を向上。

  • 広いパブリックスペース

吹き抜けがあり広く明るい食堂。大きな窓で白馬三山を正面に捉えるラウンジ。広い床で遊べるボードゲーム。暖炉を囲む本棚(オーナーの趣味の漫画)で出来たベンチ。食堂吹き抜けを囲むカウンタースペースとパブリックビューイングのプロジェクタースクリーン(食堂の壁)。ミニシアタールーム。部屋以外のどの場所にいても「楽しい」「心地よい」を体験できる。

パブリックスペースでは従業員家族とのコミュニケーションの他にお客さん同士の繋がりが生まれる。自分が楽しんでいるところを他人に見てもらえるという楽しさにつながる。その繋がりはお客さん同士の「また木塵で会いましょう」を生みリピーターの増加に役立った。リピーターは旅行後、家族を連れてきたり、地元のコミュニティーを誘客したりする。信頼できる口コミは効果が高く、現在SNSを通じてさらに効果を上げている。

イベント企画はこのパブリックスペースを利用して開催される。

  • 高断熱設計建築

2014年の地震被災後、スケルトンから再構築した宿は断熱性能を高めた設計となっている。壁の厚増しと再生可能セルロースファイバー断熱。樹脂枠三重断熱ガラス窓採用。冬季ランニングコストは約1/18となった。内壁(客室間間仕切り壁)にも断熱材を採用。防音効果もある。以前は冬季の暖房コストがかかりすぎて少人数の予約を能動的に取れなかったが、現在は可能となった。各部屋ごとの効率的な暖房ができる。

  • 冷房 暖房

暖房はオイルヒーターを採用。断熱性能の高い建築と合わせて高効率にコストダウンできている。空気を汚さないこともメリットが大きい。

2021年冷房のためにエアコンを導入した。近年、温暖化の影響で避暑地と言われる白馬村でも夏場の冷房が必要な環境となってき他ことに対応。夏季の一般客(コロナ禍以前の夏は学生合宿のみだだった)の宿泊対応が可能となった。学生合宿も快適になり、単価のアップとなった。

  • 規模

家族経営のスキー宿としてスタートしている。従業員4名。

10部屋(2~5人部屋2部屋、2~3人部屋3部屋、シングル5部屋)収容人数22名。

イベント企画などによる貸切営業がしやすい。グループコントロールがしやすく、コロナ禍では役立った。

  • アーチェリー場

宿から道(交通量ほぼ無し。10台/日)を挟んで山に向かって撃つアーチェリー場。

幅40m、70mレンジ。シューティングライン(撃つ場所)と的場には屋根があり雨天でも練習可能。

宿から近い(徒歩10歩)特徴がある。トイレ、練習開始、食事の利便性が高い。競合射場は近隣住宅の安全性の観点と所有土地の理由から、宿より遠い場合が多い。トイレがないこともある。

広大40m x 70mな射場は平面(斜面や大きな石がない)で自動芝刈り機により綺麗に管理されている。(利用期間は7月下旬から9月中旬、それ以外はキャンプに適していると考えている)

  • ベランダ

2020年コロナ禍での旅館存続に向けたクラウドファンディング資金と小規模事業者持続化補助金の採択を受けて宿に併設。非接触接客の食事提供構造として設計。2部屋だけはコロナ禍でも安全な接客対応が可能。

北アルプスを望む最も景色の良い場所に設置。客室から直接アクセスできる気持ちの良いベランダで非日常体験ができる。ハンモックに揺られて楽しむこともできる。ワーケーションの場所としても人気が高い。

最近では安全対策の上でのビアガーデン企画などの利用をしている。

アーチェリー場の裏には山を所有している。山頂には近年人気の山城跡があり散歩もできる。春は山菜、秋はキノコが豊富に採れ食事提供の季節感を彩っている。冬はスノーシューで散歩が可能。

  • 季節

白馬村はスキーのシーズン。スキー客が中心となる。

世代交代後の2015−16年冬季シーズンよりOTA販売を開始しインバウンド需要に対応開始。平日に連泊する時、毎日違うメニューであることを好評いただいている。週末を中心に国内のスキー客。

学生のアーチェリー合宿。7月下旬から8月上旬に中高生。8月中旬から9月上旬に大学生の需要。

  • 春秋

白馬村の閑散期となるが、最近はスキー場のグリーンシーズン利用(索道活用)やアクティビティにより誘客コンテンツも増えてきた。

宿独自のイベント企画で誘客する。オーナーの趣味での企画。同人(同じ趣味の人)を集めて宿泊企画を行う。「イベント企画と木塵宿泊が目的で来てみたら白馬村だった」

修学旅行の受け入れ。

  • 修学旅行

班行動(5~10名)での分宿を受け入れている。5月6月に5~6校。農業体験や文化に触れる共同生活を行う。山(持ち山)の中の散歩、そこにある植物や動物を紹介する。本物の自然に触れることができる。その時期の山菜の採取をし、一緒に料理を作る。

白馬村の100年のスキーの歴史、神城断層地震の被災、災害からの復活、その後の旅館業について講義を行う。ミニシアターを利用して動画やパワーポイントのプレゼンをする。

地域の人間に触れることで白馬村の関係人口を増やせる。再訪を期待できる。

  • 講演会(SDGsプログラム)

修学旅行での講義が好評となり、講演のみの需要にも応えている。ミニシアターと隣接する食堂の両方を利用して学校の研修プログラムに対応している。内容は災害からの復活と「住み続けられるまちづくり」。宿泊ではなく日帰りの研修。長野県内の学校が中心。上限約35人で対応。

キャパシティを超えた時はウイング21(500人ホール)を利用して対応。

  • イベント企画 客層

オーナーの趣味で同人オフ会を企画している。お客さんと趣味が合うことは話が合う、接客自体が楽しい。お客さんも楽しい体験として旅行が楽しかった感想になる。白馬が楽しく良いところだという思い出になる。また行きたい。リピーターになる。

地元に帰って長年培った同人の仲間に自慢する。強力な信頼の口コミとなり、仲間を連れてまたきてもらえる。その仲間のグループはオーナーと同じ趣味なので話が合う。他の土地のコミュニティ同士もパブリックスペースで仲が良くなり、また集まろうという流れになる。

オーナーの趣味はインドア系が多く「自宅でもできること」も多い。旅行に行く必要性がない。しかし、木塵に来るきっかけにさえなってもらえれば、美味しい料理と楽しい時間の共有体験、白馬の大自然で中毒にする自信がある。旅行需要のパイの取り合いではなく、その外(ブルーオーシャン)である「旅行に行こうとも思っていなかった」人達に訴求した形である。

白馬は悪天候に弱い。季節によってピーキーで繁忙期と閑散期が分かれるがイベント企画はその両方に強い。インドア趣味の場合。天候に全く左右されない。

  • プラモデル

「プラモデル作ろうin木塵」プラモデルを作って宿泊する企画。2009年よりスタートして2022年11月第25回を開催する。オーナーはワンフェス(模型の祭典ワンダーフェスティバル)にガレージキットの原型師として1997年より参加している。主に電脳戦機バーチャロン(別途解説)の原型を手掛ける。ワンフェスでのお客さんを宿泊に繋げて白馬に誘客した。塗装ブースを提供している。技術や経験を活かしてのアドバイスも可能。

年間2回開催で平均2泊3日の企画。

客層は40~60歳のプラモデル趣味の方。家で作成や塗装ができない方。交流がメインの方。家族がいるいないに関わらず1人での参加が多い。地元でのコミュニティ単位での参加もある。

  • ゲーム

業務用電脳戦機バーチャロン筐体(ゲームセンターに設置するもの)が全種類揃っている。

毎年世界大会が木塵で行われている。

YouTubeで行われる大会の応援観戦宿泊会。タニタカップ観戦応援会。

客層は、昔のゲーセンコミュニティの同窓会、地域の違うコミュニティ同士のオフ会。オンラインプレイヤーズマッチ(ゲーム内のコミュニティ)オフ会など。年齢、性別、職業の幅が広い。

ゲーセンコミュニティは各地にあった、当時の大会開催やネット掲示板などで名前を知っているが顔を知らない、同じゲーセンに通っていて顔は知っていても名前は知らないなどの状況であった。日本の真ん中の白馬村で各地のコミュニティが交流を持つ場所となっている。

  • コンサート

塩島達美様(フルート)、五島美佳(バイオリン)、北島加奈子様(チェロ)、篠山由紀子様(フルート)、篠山大明様(バイオリン)、宮下静香様(チェンバロ)、今井千波様(ピアノ)、松井徹(キーボード)など地元の奏者によるホームコンサートが行われる。

食堂の吹き抜け構造は音響が良く好評。コンサートのお客さんに来ていた人が「次は僕もやってみたい」「ここで自分の持っている生徒の練習合宿をしたい」という連鎖が起きる。

客層は地元のお客さんが中心。(遠地からの宿泊希望もあるが対応していない。>弱みで詳細)

  • 講演会

講演は遊びとして成立する。

オーナーがミニシアターを利用した講演会をしていることを聞き、お客さんの持ち込み企画があった。日本酒の知識の講演と共に「利き酒」や飲み会を伴った宿泊企画。巨大な公共ホールを借りてできないことをできる。「講演」がする側も観客として参加する側も双方が新しい遊びとして成立していた。

  • 映画

ミニシアターを利用してお客さんの持ち込んだ映画を楽しむことができる。白馬での悪天候時の対策としても有効。

お客さんとの共通話題を持ってコミュニケーションが盛り上がる。感想、解釈や意見、見地の違いをお互いに楽しめる。楽しい共有体験のあとは「次に来る時はあれを観よう」と約束をすることでリピート依頼にもなる。次に会う機会をお互いに楽しみにできる。

客層の幅も広い。

  • 写真

白馬村は白馬にしかない景色を豊富に有する。撮影スポットも沢山あり全て近所に集約していることも特徴的。山岳、川、湖、田、夜景、星空、動物、蛍など。

木塵は繁華街にないので周りの民家も少ない。星空撮影は特に街灯が少なく交通のない、構造物が少ない広い場所が好まれるが、暗く空の広いアーチェリー場は安全に条件を満たしている。

客層は写真趣味のコミュニティやサークル。

  • 自転車

白馬岩岳スキー場ではグリーンシーズンにリフトとスキー場を利用してマウンテンバイクが楽しめる。

交通量が少なく見通しの良い景色、美味しい空気、平地、ヒルクライム、湖畔などロードバイクを楽しめる場所が木塵周辺にはたくさんある。

客層は老若男女、幅が広い。人口も増加傾向。

  • スキー スノーボード

提携レンタルスキー会社があるので事前予約することで宿で借りて宿に返す利便性がある。直接借りるよりも安価な価格設定。

10人乗りハイエースがある。スキー場への送迎が人気。駐車場の心配が要らず、レストハウスでの飲酒も可能。

客層は10代の学生グループ(スノーボードが多め)。2~30代カップル、家族。40代~家族または本気でスキーのシングル。お父さんと子供のような家族内でスキー趣味の人のグループ。海外からの白馬人気は高い。木塵は団体旅行は取らないので海外からのお客さんも家族やカップルが多い。海外の場所は偏りなく世界中。リピーターが多い。

  • クロスカントリー

先代(柏原順一)はオリンピック強化選手だった経験を活かして、小学生を教えるコーチを長年していた。オーナーも学生時代は選手だった。

1998年の長野オリンピックで使われたスノーハープ会場はすぐ近くで木塵の裏山までコースが来ている。会場では一般のレンタルもしているので楽しむことができる。

客層は大会出場者の選手、コーチ陣による合宿利用。家族連れの体験利用。

  • スノーシュー

貸出用のスノーシューがある。雪の上を浮くように歩ける道具で雪上散歩が楽しめる。

宿の周りには広い私有地があるので自由に楽しめる。北アルプスの景色の中、広大な田んぼの雪原を散歩できる。持ち山の中を散歩が可能。頂上には城址(見晴らしの良い平らな場所)もあり休憩にコーヒーやビールも飲める。飲酒しても運転なしで直接宿に帰れるメリット。

客層は家族連れの体験利用。家族内でお父さんはスキーでゲレンデに、お母さんと子供は宿に残ってお休みという時の遊びとして。雪質が悪くなり暖かくなってきた春頃に人気。

  • コスプレ

各部屋のデザインが特徴的なことを活かして室内撮影の背景としての利用が可能。

  • 収穫祭

最も長く続けている企画の1つ。毎年、体育の日に「木塵収穫祭」を開催。2泊3日で2日目に朝から木塵マラソン大会(中綱湖と青木湖の湖畔一周)をする。昼に木塵に帰ってバーベキュー大会。みんなで新米のおにぎりを食べる。その後アーチェリー場で色々な遊びで楽しむ。夜はきのこ汁で秋を満喫するお祭り。

客層は常連客への感謝祭の側面があるのでメンバーがほとんど固定化されている。

  • 送迎

10人乗りハイエースを所有。村内送迎が可能。

特にスキー場の送迎は急坂を道具を持って歩かなくて済む、駐車場の心配がいらないなどスキーに慣れているお客さんほど好評をいただいている。

  • コロナ禍での対応

コロナの客足の減少と感染リスクの回避のために2020年4月よりOTA予約を止め、休館とした。

経営維持と常連客とのつながりを絶たないために「木塵サブスク」を開始。内容は毎月1便木塵から何かをお届けするというもの。農業は続けていたのでとれる農作物やジャム。また惣菜製造業を取得して季節の食材を使った料理を送ることにした。

旅館存続のためのクラウドファンディングを実施。約800万円の支援が集まった。

ベランダを増設し非接触接客を可能にした。

2021年4月電話予約を再開(OTAは現在も中止中、冬シーズンより再開予定)。グループ数と人数のコントロールをしながら予約受付をした。


以上。

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