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執筆者の写真周平 柏原

木塵の弱み(SWOT分析)


SWOT分析の続きです。


今日はその2つ目、弱み(WEAKNESS:内部環境(自分でコントロールできること))を並べてみました。抽出して言語化すると「うん、バーチャロフセンターが必要だ!」と改めて感じます。

皆様からみて抜けている要素があればコメントいただけると助かります。僕から見えていないものもたくさんあるはずです。


弱み WEAKNESS

  • 従業員が少ない家族経営

対応人数が限られてしまう。あまり忙しいと細かな対応に手が回らなくなってしまう。

  • 切り替え(入れ替え)作業の大変さ

昼食に食事会→宿泊営業

イベント企画チェックアウト→全館掃除後に新たなチェックイン

イベント企画(プラモデルであれば食堂も作業スペースとして使う)中の食事準備→一旦作業中断と食堂の簡易清掃

連泊のイベント企画中の館内清掃と部屋入替→昼食も含む場合パブリックスペースにお客さんがくつろいでいたり作業をしていたりするので清掃や入れ替えがやりずらい。

コンサートまたは講演会→宿泊。食堂の机を片つけて椅子を並べる形にするので、食堂の状態に戻す作業と料理準備作業を同時にできないため需要があることを把握しているが断っている。遠地からのコンサート参加希望を受け付けられない。

  • 両親の高齢化

両親についていた宿泊客も同様に高齢化し旅行への意欲、健康が減少している。

病気、怪我の可能性も高まり無理はできない。

切り替え作業を伴った予約も以前は精力的に出来たが、最近ではあまり詰め込まない予約の取り方に変えている。

少数精鋭の家族経営の中で疲弊や病気、怪我による能力低下、気持の低下、欠員は多大な戦力低下を引き起こす。

  • スキー場が遠い

立地は先祖代々、スキー場ができる前からこの場所に住んでいるため戦略的立地にない。

スキー客から見るとスキー場から遠い利便の悪い場所として感じられる。

  • 地震後、地区唯一の復活宿泊業

神城断層地震以前、近所の地区には6軒の宿があり組合への参加などもしていた。地震後木塵以外は廃業。シャトルバスのコースなどの村内観光サービスを取り付ける交渉時に地区として弱い。

  • コロナでインバウンド0 スキー大会0

スキー場から遠いという理由でもともとスキー客の選択先としては弱かった。先代は少し英語アレルギーがあり受け入れを断っていた。2014年の世代交代後はOTAを利用しインバウンドの受け入れをスタートした。リピーター、海外のお客さんからの持ち込み団体企画もありスキー客の底上げとなったが、コロナ禍を迎えそれら全てがない状態となった。

スノーハープで行われるクロスカントリー大会も無くなっている。

  • コロナで夏のアーチェリー合宿0

多い時に10校が利用して夏季の大柱であった合宿もコロナ禍で全てキャンセル。2020年2021年は0校。2022年2校合宿を頂いたが日数制限、練習間隔規則などのルールを伴った。

常連の学校からの問い合わせの中でも1部屋2名という制限があり予約成立しなかった。>分宿(アーチェリー場への送迎付き)のできる提携宿が多く必要となる。近所の宿がなく仲の良い宿からは距離がある。

来年以降もすぐには戻らない予想をしている。

学校の合宿予約は貸切となる上、コロナ禍でのキャンセルは情勢を見て決まるためキャンセルがギリギリになる。コロナ禍でのキャンセル料金を常連の学校に請求することもできない。木塵は過去に夏の一般客の受け入れをしていないためギリギリのキャンセルを受けての集客が困難。穴埋めができない。

  • アーチェリー場

広大40m x 70mな射場は平面で自動芝刈り機による管理を4月から10月までしている。アーチェリー合宿に利用する期間はゴールデンウィークの3日間と7月下旬から9月中旬までの期間でそれ以外は維持費だけがかかっている。

  • 収容人数が少ない 22名

イベント企画は元々春秋に全く宿泊需要がなくなる白馬村で目的のある旅行(テーマツアー)を誘致しようと始めたのだが、人気が高まり供給が追いつかなくなった。募集すればすぐに満室。イベント自体の集客能力と旅館の収容能力が乖離している。宿泊収容人数がイベントの上限になってしまっている。

各イベントの客数分散は難しい。リピーターが多くなるのでリピーター同士のつながりも強まる。「木塵であの人と会える、集まれる」という需要もある。

ゲーム大会などは宿泊上限を超えた予約を分宿したいという希望もあるのだが、近所に宿がない。

プラモデル合宿は宿泊収納能力以前に作業場所(パブリックスペースと食堂)の上限での締切になってしまうこともある。

  • 部屋数が少ない 10部屋

シングル5部屋、2~5人部屋5部屋。近年、家族旅行のスキー客は減少している。本気でスキーをするシングル部屋需要が高い。

イベント企画も同人オフ会が多いのでシングル需要が高く、相部屋をお願いすることが多くある。

つまり場合によっては満室の宿泊上限が10名となってしまうこともある。需要の取り逃がし(不成約)が数多くある。

  • 貸切の週末が多い

テーマの違うグループの予約を合わせづらく、イベントによっては満室でなくとも貸切営業とすることがある。

イベント企画は週末、連休に集中するため貸切営業は不成約の原因になる。

食事会の要望も多いが宿泊と同時開催が困難(食堂の企画利用からの切り替えなど)であるため

  • 新規顧客が入りずらい

リピーターが多いことのカウンター。リピーターはリピーター同士でコミュニティを形成する。新規客が入りずらいと感じることとなる。

SNSなどでイベントの楽しい様子、料理などを発信している為、興味を持ってもらえるのだが貸切による予約不成約が増えいている。

  • 繁華街にない立地

インバウンドの食事を宿泊施設以外でするという文化の影響から、近所の飲食店が求められることがある。木塵の周りには全くない。タクシーの手配は可能だが白馬のタクシーは高額であると驚かれることもある。

徒歩圏内のカフェやバーも求められるが、無い。

  • 食堂で飲み会がうるさい

広いパブリックスペースと食堂を活かして飲み会をすることになるが、吹き抜けの音響の良さで館内全体に音が響くとことになる。

グループによって貸切にする必要がある。例えば飲み会を楽しみたいグループと家族連れや本気スキーヤーの早寝から早朝スキー需要。組み合わせによってはクレームにつながる。

予約の不成約につながっている。予約時にシンプルに空室かどうかだけで受付ができない。

  • プラモデルの塗装ブースが狭い 臭い

元々オーナーのプラモデル趣味から始まっているので、個人用の小さな塗装ブースを並べて「塗装も可能」としている為、能力、容量が不足している。

プラモデル企画は人気で特に最終日に塗装工程が渋滞する為、お客さんに不自由をさせているところがある。

プラモデル企画中は館内が塗装の臭いがする。パブリックスペースが作業場と人と道具で埋もれるのでイベントの大小は関係なく貸切予約となる。予約不成約となる。

  • プライベートスペースを使っている

プラモデル塗装ブース、業務用バーチャロン筐体は旅館の営業スペースではなく家族のプライベートスペースを利用している。

バーチャロンの置いてあるスペースは狭く、観戦には向いていない。大会時も選手の動線が設計さてれてないのでお客さんに不自由を強いている。室温調節、湿気、換気能力が低く古い筐体には保存上厳しい環境である。

  • 付加価値額が発生していない

イベント企画のほとんどが宿泊の少ない時期に宿泊需要を発生させようという意図で始まっているので、宿泊費のみで行っている。プライベートスペースを利用している現状で別途イベント利用額を請求することは困難である。


以上。

閲覧数:257回2件のコメント

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2 Comments


日間陣
日間陣
Nov 11, 2022

既に白馬村内でのレジャーとの距離は書かれていますが、

日本規模で見た白馬村自体へのアクセスも距離があるなぁと。

妻経由で知り合ったゲーム仲間が、年1回ゲーム合宿というのを

やっていたのですが、その会場にしていた宿が廃業されまして。

代わりの地を探すにあたり、木塵さんも候補として挙げてみました。


結果、アクセス面で集まりづらいということで外れました。

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icedoll17
icedoll17
Nov 06, 2022

強みと表裏という感じですね。

元々固有の強みとしていた部分が、外的要因により弱みに変わる。

業態や規模を変えずに続けるなら悩む点ではないのかも知れませんが、

現状から変えていこうとするから必然的な課題になって来そうです。


個人的な感想としては以下の通りです。元記事で挙げられていたものを

反芻するような内容に終始しています。


・顧客の流動性低下の面が特に悩ましいと感じます。コアなファンが多い事の

 背反事象とも言えますが。


・設備を簡単には拡充できない点もなかなか厳しいです。ご近所に頼ることも

 難しいというのも白馬、観光地という観点から見て特異かもしれません。


・設備の共用や切替といった運営面の難しさ。宿全体の一体的なふれあいを

 重視したが故に、場所と時間がシングルスレッド的な運営にならざるを

 得ない。


・付加価値分を宿としては請求しづらい(個人的にはイベント開催時の宿泊には

 +αのフィーを主催者向けとは別に払っても良いかなと思っていますが)

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